買取スタッフのコメント
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大田区で和田三造 瓜図 杜甫絶句を
お売りいただいたお客さまの声
実家の整理をしている中で、祖母の代から床の間に飾られていた掛け軸がいくつか出てきました。その中でも、和田三造さんの「瓜図 杜甫絶句」という作品があり、名前だけでは価値が分からなかったのですが、ネットで調べてみると出張買取ができると知り、お願いしてみることにしました。
正直、古いものだし値段なんてつかないかも…と思っていましたが、来てくださった査定員の方がとても丁寧で、「この作家さんは評価されていますよ」「杜甫の詩が入っているのが珍しいですね」と、掛け軸の魅力を一つ一つ教えてくださり、驚くことばかりでした。
祖母が季節ごとに掛け替えていたこと、毎年お正月や節句になるとこの掛け軸を見ながら親族で集まっていたこと…そういった記憶が思い出されて、何とも言えない気持ちになりました。結果として9,900円という金額で買い取っていただけましたが、それ以上に、「価値をちゃんと見てもらえた」ことが嬉しかったです。
安心してお願いできたので、これから他の書画や骨董品についても一度見ていただこうと思います。大切な思い出を、次に繋いでくれる方に渡せる機会をいただき、本当にありがとうございました。
今回査定させていただいた「和田三造 瓜図 杜甫絶句」の掛け軸について、詳しく解説いたします。
まず最も大きな評価ポイントは「作家性と作品の文脈」です。和田三造は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の画家であり、洋画だけでなく日本画やデザインの分野にも多くの功績を残しています。彼の作品は新聞や書籍の挿絵としても広く親しまれ、その名は当時の一般家庭にも広がっていました。そのため、和田三造のサインや落款がある作品は、美術市場でも比較的安定した評価を受けております。
本作では、ただ絵が描かれているだけでなく、中国・唐代の詩人杜甫の詩句が画面に添えられており、詩書画が三位一体となったいわゆる文人画の性質を持っています。こうした詩画一体型の掛け軸は、特定のジャンルを好むコレクターの間では人気があり、内容次第では額面以上の価格がつくこともあります。瓜という素朴な題材と杜甫の詩の気品が見事に融合し、日本の茶室や和室に自然に溶け込むような品格を備えている点も高く評価しました。
次に注目したのが「保存状態」です。掛け軸という形式は、使用と保管を繰り返す中で、表具の裂地が摩耗したり、虫食いやシミが生じやすい特性を持ちます。そのため、査定時には画面の折れ・破れ・剥離の有無、表具の状態、巻き軸の歪み、軸先の素材と状態など、多角的に確認を行います。今回のお品は、数十年にわたって使用されていたにも関わらず、巻きシワやシミが非常に少なく、全体として大変良好な保存状態を保っており、査定額を押し上げる結果となりました。
また、「題材の人気」と「再販市場での流通状況」も重要なポイントです。現在、美術市場や骨董市場では、浮世絵や仏画などに加えて、生活に溶け込む日本美術としての掛け軸が静かなブームとなっており、とくに瓜図のような自然をモチーフにした作品は、茶道・華道など日本文化に親しみのある層からの支持が高い傾向にあります。さらに、杜甫の詩という古典文学との結びつきがあることで、「知的な装飾」としての価値も付加され、現代空間へのマッチングという面でも注目されつつあります。
なお、査定には「作者名」や「箱書き」の有無も大きく関わります。今回は元箱付きではありませんでしたが、落款と印章が明確で、署名に不自然な点も見受けられなかったため、真正品として扱いさせていただきました。鑑定書のような裏付け資料がなくとも、専門知識に基づいて一点一点丁寧に査定いたします。
また、買取の形式が「出張買取」であった点も、評価に影響します。というのも、掛け軸のように保管・運搬が難しい品物は、お客様ご自身が店舗に持ち込まれる負担が大きく、破損リスクも伴います。今回のように、ご自宅の床の間に掛かった状態でそのまま拝見できたことで、保存環境や飾られた際の空気感も含めて総合的な価値判断が可能となりました。
このような背景から、査定額として9,900円をご提示いたしました。高額買取とまではいきませんが、家庭用掛け軸としては比較的好条件での査定といえます。特に保存状態と作家性、題材の魅力が評価に直結しました。
掛け軸は価値のわかりにくいジャンルと思われがちですが、専門的な目で見れば高いポテンシャルを秘めた品も多くございます。ご自宅に眠っている一幅が、新しい価値を持って再び活かされるかもしれません。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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買取日2025年11月18日に、東京都大田区にお住まいの女性のお客様から、掛け軸 和田三造 瓜図 杜甫絶句を9,900円でお買取をさせて頂きました。買取価格も可能な限りご提示させていただきました。誠にありがとうございました。
このたびご依頼をくださったお客様は、ご実家の整理中に「祖母が長年飾っていた掛け軸を、これからの暮らしの中で活かせないかもしれない」と感じられ、出張買取のご相談をくださいました。大田区の住宅街という落ち着いた環境にて、古い欄間や和室を備えたお宅で、歴代で受け継がれてきた装飾品・書画にも丁寧に向き合ってこられたご様子が、玄関から和室にかけての佇まいからも伝わってきました。
本件の掛け軸「和田三造 瓜図 杜甫絶句」は、近代の日本画家である和田三造氏(和田三造)による作品で、文人画的な趣を持った“瓜図”の構図と、詩人 杜甫の絶句を軸画の詩題としています。画面にゆったりと描かれた瓜の蔓と葉、そして描き込まれた詩句が、静かな雰囲気と深い品格を湛えており、和室の床の間に掛けられた際の意匠・空気感が非常に優れています。掛け軸の中では、中間価格帯ながらもしっかりと評価されやすい“作家物+詩題付き”という要素を兼ね備えており、書画蒐集愛好家・和モダンなインテリアを志向する層双方から関心を集めるタイプのお品です。
査定当日は、床の間に掛けられた状態を拝見し、作者落款・印章の有無を確認したうえで、表装の状態、軸先(巻き軸の軸端)の擦れ・経年変化、画面のシミや虫食いの有無など細部まで拝見しました。お客様が「祖母が毎年五月の節句に床の間にかけ替えていたんです」と語ってくださったエピソードからも、この掛け軸が長くご家庭で愛されてきたものであることが伝わりました。
滅多に使われなくなった床の間ではありますが、こうした由緒ある掛け軸が改めて価値を見出され、新たな持ち主のもとで再び日の目を見ることになる――そのようなご縁を感じながら査定に向き合いました。書画・掛け軸のご売却を検討される方には、重さ・寸法・運搬のご負担もございますが、出張買取ならばご自宅でそのまま拝見・査定・搬出まで対応可能です。お品を大切にされてきた方の想いも汲み取りつつ、安心してご相談いただければと思います。